シェイクスピア朗読ワークショップ第2回


準備運動のあと、なんば歩きと揃い踏みで、リズムにのせてからだを動かし、声とからだと脳のトレーニング。それから、台詞を読む役者にとって大切な息づくり。腹ばいになって、腹式呼吸や長息を行いました。

そして今日は、blank verse(無韻詩)の読み方の練習です。前回も少しやったiambic pentameter(弱強五歩格)を感じながら、『ヴェローナの二紳士』『十二夜』『ロミオとジュリエット』などの様々な作品の一行の台詞を読んでいきました。簡単なものから、やや難しいものへ。If music be the food of love, play on. (TWN)は、弱強の音がきれいに並んでいて、読めばそのまま誰もがシェイクスピア役者になれます。

発音の練習も同時に行っていきます。But soft, what light through yonder window breaks? (RJ)

"y" の半母音が日本人には発音しにくい。みなさん苦戦しています。しばしの練習。"Happy new ear!" 「新しい耳、おめでとう!」とならないように。"yonder"で絞り出すようなyの音に、窓辺へと向かうロミオの恋心をこめて・・・。

一行詩後半は、弱強のリズムにシンコペーションがおこって、少し難しくなります。In sooth I know not why I am so sad. (MV) "s"のalliteration(頭韻)も意識します。

Love sought is good, but given unsought is better. (TWN) 今までは最後が強く終わっていましたが、この"better"は強く終わりません。弱い音が残ります。feminine ending(女性終止)。

There would have been a time for such a word.(MAC) 夫人の死を知らされたあとのマクベスの台詞。難関です。timeまでを素早く読みます。

一行詩の練習のあとは、さらにリズムをくずした朗読、ラップに挑戦。チェーホフの『三人姉妹』の終幕の台詞を少し練習しました。"Oh, listen to that music! They are leaving us..."これはむずかしい、とAさん。でもみなさん、生き生きと読んでいらっしゃいます。リズムにのって、楽しそう。

最後は、今回の最後の回の発表に向けての課題である長台詞の読み方の確認をしました。『ハムレット』の有名な3幕1場の独白。To be, or not to be, that is the question. "is the"の発音がむずかしい。zからthへ、音がとまらないように繋げるのにみなさん苦労していました。ハムレットの5行が次回までの課題です。

次回は対話に挑戦します。

by 薫